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全く効果のないインソールがたくさん売られている話|O脚に外側ウェッジインソールは改善効果なし

悲しいことに日本のインソールやフットケアの市場は荒れています。研究の進捗も遅く適切な情報にたどり着くことも難しい現状です。20年以上前のインソール技術が今も変わらず使われていることもあります。

特に変形性膝関節症のクライアントに処方されることが多い外側ウェッジインソールが何の効果も示さないことを証明した論文をご紹介します。

外側ウェッジインソールとは

外側ウェッジインソールとは外側楔状インソールとも呼ばれ下の画像のように外側を高くしたインソールを指します。この形状がO脚の治療に有用であると信じられていました。amazonや楽天でも販売されており、医療施設でもこれが処方されることがあります。

 

以前から効果は疑われていた

バイオメカニクスの研究が進むにつれて欧米では外側ウェッジインソールの効果がないことを示す報告が多くみられるようになりました。Bennell KL et al (2011)

2009年に発表された米国整形外科学会ガイドライン「膝変形性関節症の治療に関するガイドライン」では、結果として「症状のある膝の内側コンパートメントOA(変形性関節症)を持つ患者には、外側ヒールウェッジを処方しないよう提案します」と記されています。

残念ながらいまだに日本ではこのインソールを処方された人は多くみられます。これにはちょっとした闇があり、装具の製作企業はこの形のインソール大量生産し、高価で病院にて販売しています。その金額のほとんどが健康保険によって賄われるのです。結果的に病院側も製作企業も楽に大金を稼ぐことができるのです。昨今これが問題視され、マスコミが取り上げる事件となったことがあります。少しずつ法律が変化し、大量生産した粗悪なインソールを保険で購入させることが取り締まれるようになりましたが、まだこのインソールを私のところに持って来られるクライアントは多くいらっしゃいます。

正しい情報をいつも仕入れ、困った人のもとに良いものを届けることを念頭において仕事をしていればこんなことは起こらないはずです。

まとめ

この形のインソールは基本的に買わない、売らないというふうにならなければいけません。もちろん踵の角度に過剰回外の症状がみられた場合は必要に応じてこの加工を施すことはあります。

ただ「O脚だからこのインソールを使う」というの間違っています。しっかりと足をみて、触って必要なインソールを処方するべきです。このよう外側ウェッジインソールの処方には終止符を打たなければなりません。