インソールは足の怪我を防ぎ、痛みを軽減する|単なる衝撃吸収材では意味がない
2007年のいくつか研究によってインソールが怪我の治療や予防に対して有用であることが明らかになっています。今回はインソールに関する幾つかの論文をまとめていきます。
インソールの効果を表す研究
痛みや怪我の予防に対する効果
また軍人の初期演習時にインソールを用いた場合、怪我の受傷率が20%減少することも報告されています。体力や気力に激しい負荷をかけ脱落者を多く輩出する訓練において、20%の受傷率の低下は効果抜群といって良いでしょう。Franklyn-Miller A et al (2011)
痛みの治療に関する効果
インソールが足の痛みの治療に有効であることが明らかにされています(Hawke et al 2008)。足底筋膜炎、リウマチ、外反母趾や関節炎など1332人を対象に行われた試験では、インソールを使用することで治癒につながった患者数は約半数にのぼりました。
インソールの形に関する研究
インソールの形状は柔らかい緩衝材としてではなく、足にあった適切なインソールでなくてはならないとの研究も報告されています(Landorf & Keenan 2007)。シリコンやクッション材で作られたインソールを散見しますが、実際は足の形に合わせて硬く作らなければ効果を発揮することはないということがわかっています。
理想的なインソールとは
昨今の研究では、3Dスキャンなどを用いて足の細かな凹凸まで再現したインソールである必要性が低いことも明らかになりました。高度な症状でない限りはセミオーダーメイド品でも十分な効果が得られることもわかっています。良質なインソールを大量生産できてしまう可能性も考えられています。
今後はコストを最低限に抑え、効果を最大限に発揮するインソールの開発が急がれると考えられます。