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変形性膝関節症について|症状の進行を抑えるには

膝が痛いと感じることはありませんか?
中高年になると膝の痛みを感じる人が増えます。整形外科では腰痛や肩こりに次いで、膝の痛みを訴える患者様が多いです。その数そのほとんどが、変形性膝関節症です。今回解説する変形性膝関節症とはどのような病気で、どのような症状が起こるのでしょうか。
変形性膝関節症の症状は一気に現れず、何年にもわたって徐々に進行していくのが特徴です。変形性膝関節症の症状について、ステージに沿って解説します。

変形性膝関節症とはどんな病気なのか

変形性膝関節症とは、関節のクッションである軟骨がすり減って、痛みが生じる病気です。軟骨がすり減った分、膝関節の骨と骨のすき間が狭くなって内側の骨があらわになり、骨のへりにトゲのような突起物ができたり、骨が変形したりします。すり減った軟骨は回復して再びクッションとなることはなく、失われたままになってしまうのの特徴です。症状の予兆が現れたら早めに予防に努めることをお勧めします。

また、関節をおおっている関節包(かんせつほう)と呼ばれる膜の内側に炎症が起こるため、そこから黄色のドロっとした粘り気のある液体が分泌され、いわゆる「膝に水がたまった」状態になります。これは抜き取ることは可能ですが、できればたまる前に対処したいところです。

変形性膝関節症の各段階の症状

変形性膝関節症は何年も時間をかけて進行し、徐々に症状が重くなっていきます。変形性膝関節症の進み方を3つの段階に分けて考えてみていきましょう。一度すり減った軟骨は元には戻らないので、できるだけ早く治療やリハビリを始め、病気の進行を阻止することが大切です。

 

初期症状
起床後、からだを動かし始めたときに膝のこわばりを感じます。これは血流が既に悪くなっていることを示しています。日中に溜まった痛み物質が流れきっておらず、さらに水分も行き渡らないため動きが悪くなってしまいます。起き上がったり、歩き出そうとしたりすると、膝がこわばり曲げ伸ばしが辛くなったり、重くて動かしにくい、場合によっては鈍い痛みを感じるなどの自覚症状が現れます。しかし、しばらくからだを動かすと筋肉のポンプによって血流が高まり、自然と痛みや動かしずらさが治まるため、あまり気にならない場合が多いです。ここで油断してしまうと症状の進行を許してしまいます。結果的にもう少し症状が進むと、正座や階段の上り下り、重い荷物を抱えた時などで痛みを生じるようになります。
中期症状
中期になると、しばらく休んでいたら治まっていた膝の痛みがなかなか消えなくなります。ジーンとした痛みが持続的になります。正座や深くしゃがみこむ動作、階段の上り下りなどが、膝の痛みがつらくて困難になります。関節内部の炎症が進むため、膝が腫れて熱感も生じます。関節液の分泌量が増えるにしたがい曲げた際に膝の皮膚が伸びきって光沢がでたり、膝の変形が目立つようになるほか、関節がすり減って摩擦が大きくなるため、歩くときしむような音がします。また関節にゴミが溜まり、指で触ると移動する関節鼠ができたりします。
末期症状

関節軟骨がほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかるようになります。この段階になると、初期、中期段階でみられた症状がすべて悪化して、普通に歩いたり、座ったり、しゃがんだりするのも困難になります。動かすことが困難になると活動量も減るので、筋肉はさらに痩せていき、その分脂肪が増えてしまいます。日常生活でも痛むことが多くなり、外出も難しくなるため、精神的な負担も大きくなります。

早めの予防、治療を行うべき疾患

歩けなくなることによるストレスは計り知れません。旅行やちょっとした外出もできなくなります。

日頃から関節の衝突を防ぐために、適切な体の使い方を学んだり筋肉を鍛えたり、率先して知識を増やすことにも取り組みたいものです。特にしゃがんだり歩いたりする際に膝が内側に入るニーインという現象が起きないように足元から常に気を配るべきです。

インソールはそういった誤った体の使い方を無意識に防いでくれるので、臨床では特におすすめすることにしています。気になる場合はいつでもご相談ください。変化は必ず起こせるはずです。