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身体を語るうえで最も重要な「仙腸関節」の話|生体力学の「要」

仙腸関節がどこの関節なのか、画像を貼っておきます。

この画像の赤丸部分が仙腸関節です。中心にある仙骨と骨盤の両側にある腸骨とで構成される関節です。この関節に他の関節にない特徴があり、度々体の種々の痛みの原因になります。今回はその特徴をいくつか紹介します。

仙腸関節の異常はさまざまな痛みの原因となりうる

仙腸関節は体幹と四肢との間で行われる関節運動全てに関与します。肩を動かすときも、首を動かすときも、股関節を動かすときも、仙腸関節にエネルギーが加わります。

この関節が実際に動くのか否かについては半世紀以上議論されていますが、答えは出ていません。どちらの意見にも納得のいく理由があります。動かないと主張する側は、検体を利用した解剖の際に、仙腸関節に対して捻りを加えたり、押したり引いたりしたところ、関節は強固に結合しており動かなかったと主張します。これは確かに納得です。私も同じように検体の仙腸関節を動かそうとしましたが、びくとも動かず諦めました。

動くと主張する側は、あくまでも生きている人間に関しては片方の骨盤が開いていたり、前傾していたり、足の動きに応じて動いていたりすると主張します。これも納得できるもので、臨床でこの関節に触れながら四肢の運動を指示すると連動して仙骨に対して骨盤が動いているのを指先で感じることができます。

そのため、仙腸関節周辺に異常が発生すると四肢の運動にも異常をきたすことになります。仙腸関節がうまく連動できないことによって別の筋肉や関節に代償運動が強いられるためにコリや痛みが発生することも多くあります。

自ら仙腸関節の異常に気づくのは難しい

もちろん仙腸関節そのものが痛くなることもあります。しかしながら肩が凝っていたり、首の痛みや、手足の痛みの原因が仙腸関節にあることを自ら発見することは難しいでしょう。

この辺りは専門家の目を借りることをお勧めします。必ずしも仙腸関節によって全てがコントロールされているわけではありませんが、仙腸関節の適切な治療を受けた後は全身の症状が広く落ち着くことは体験できるでしょう。

私も治療のプログラムを考える際には、仙腸関節をまずは整え、そこから四肢や首などの治療を施す場合も多くあります。

原因のわからない不調がある場合は仙腸関節の状態を確認し、さらには仙腸関節に発生した異常の原因を探っていくことで、根本的な治療につながっていくケースが多いように感じます。

もしそういった不調にお困りの時は、お気軽にご相談ください。