CONTACT

部活を頑張る子供のオスグット病の話|スポーツを続けるために知っておくべきこと

オスグット病とは膝蓋骨(膝のお皿)の下にある脛骨の突出した部分の炎症を指します。下の画像の赤丸のあたりです。

オスグット病はこの部位が太腿の筋肉によって引っ張られることで生じます。主にスポーツを真剣に頑張る学生に多く起こります。今回はこのオスグット病についてまとめていきます。

オスグット病の病態と原因

大腿四頭筋(太腿の前面の筋肉)の張力が過剰に働くことで、脛骨粗面と呼ばれる前述した部分が引っ張られて生じます。重度の場合は引っ張られる力によって骨が分離し、剥離骨折となる場合もあります。年齢が若いうちは骨は柔軟なため、直接の外力には強いのですが、ゆっくりと徐々に引っ張られることでちぎれていくように骨折することがあります。

このようにゆっくりと骨折していく場合は骨が癒合するのにかかる時間が長くなる傾向があります。

そしてこのようなことが起きてしまう原因について、最近はハムストリングス(太腿の裏側の筋肉)やふくらはぎの筋肉たちの柔軟性が低すぎることが指摘されています。

脚の後ろ側の筋肉が硬くなると膝を伸ばす際のエネルギーの必要量が増えます。この膝を伸ばすための筋肉が大腿四頭筋です。大腿四頭筋の活動が過多になることで強すぎる張力が脛骨粗面に加わり、結果的に骨を剥がすほどに至るということです。

治療方法

原因から治療方法や予防方法を導き出すことができます。いつも脚の後側の筋肉たちが柔らかい状態にあるべきです。

若いうちは成長期なこともあり骨の長さは日々成長していきます。それに応じて筋肉の長さが変化します。要はこの筋肉の長さが骨の長さに従って長くなるのが間に合わずに起こってしまう疾患なのです。

まずはやや強引にでもストレッチをすること。そして痛みがあるうちは無理に運動せず安静にすること。

そしてインソールを使って踵を持ち上げ、後方の筋肉を弛緩させることで対症療法的に対処します。

まとめと過去に出会った特殊な例
  1. 初期は安静に。
  2. 脚の後ろ側の筋肉を柔らかくする。
  3. インソールで踵を持ち上げ、筋肉を弛緩させる。

治療が遅れてしまうと骨折や、最悪の場合手術も必要になるケースもあります。

過去にあった特殊なケースでは、初期に治療をせず騙し騙しにスポーツを続け、30代になってもずっと痛みが続いていた患者様と出会ったことがあります。

早期の発見の治療、できれば日頃からの予防を心がけたいものですね。