扁平足の子供と肥満、スポーツのパフォーマンスに違いはあるのか|体力・運動能力と足型の話
「扁平足」「ふつう」「ハイアーチ(土踏まずが高い)」この三つの項目で子供の体力や運動能力、体型や柔軟性の違いについて調べた論文があります。
今回はこちらを参考に、足の形と体力・運動能力がどのように関係するのかを解説します。
参考論文↓
子どもの足部変形と体力、運動能力との関連 井藤英俊 佐々木さはら 川崎順子* 日田剛* 兒崎友美* 原修一** 青柳領***
コロナのパンデミック以降、扁平足の子供は確実に増えています。
やはり運動不足は成長期の足の形状に対して影響を与えるのでしょうね。子供のうちにどのような生活を送っていたかによって将来の体の形状はある程度決まってしまいます。
今回の研究のまとめで述べられている扁平足の子供たちの特徴は以下のようでした。
- 体重、BMI、体脂肪率は他よりも高い
- 身長はやや低め
- 走力、跳躍力は低い
2021年に書かれた論文ですが、1990年より以前の論文でもこれらは頻繁に報告されていました。今回の研究ではそれらのほとんどの信憑性がさらに高くなる結果となりました。
ハイアーチと扁平足では足や体の使い方は全く異なります。今回の研究で分かったことを以下にまとめました。
- 体重、BMI、体脂肪は低く痩せ型
- 他に比べて背が高い
- 跳躍力が高い(幅跳び、高跳びの成績が良い)
- 柔軟性が低い
痩せていて身体能力は高めだが、柔軟性が乏しい。といったところでしょうか。そして扁平足に比べバランス感覚は乏しいという結果も得られました。それは接地面積がハイアーチの場合は狭いからでしょう。
扁平足やハイアーチは怪我や疾病の原因となることが知られています。それだけでなくスポーツのパフォーマンスの低下も考えられます。
臨床での経験上、肥満体型の子供たちは扁平足であることが多く体力も低めの印象はあります。ただ痩せ型でも扁平足の子供も何度か目にしたことがあります。
共通して言えることはやはり運動が不足していることです。難しい技術を要求する必要はないので、走ったり飛び跳ねたりをもっとたくさんしてほしいと思います。バスケットやバレーボールをリクリエーションのレベルで取り組むことを勧めることが多いです。
小学校高学年くらいまでには扁平足は改善させたいところです。
欧米などでは主流なのですが、年を重ねるごとにインソールをオーダーメイドすることをお勧めします。日本でもそれが当たり前になるように、今後も活動してまいります。