神経を圧迫する厄介な足の症状「モートン病」の話。症状や予防・改善法を解説
モートン病は中年の女性に多く、神経を直接障害する厄介な疾病です。歩行や日常生活の質を著しく損ねるうえ治療は難航することが多く、予防方法を知っておいてできる限り発症を避けたいところです。
「扁平足」のようにメジャーな単語ではなく、症例もさほど多くないため「モートン病」という疾病を知らないという方も多いでしょう。早めにこういった疾病についての知識を蓄えておくことをお勧めします。
仮に発症した場合、初期にどのような処置をしたかが治るまでにかかる時間を変化させます。知識があれば早めの対処ができるため、完治までの時間をできる限り短くすることができます。
それでは今回はモートン病の症状や原因、ケアの方法について解説していきます。
症状については、画像の赤い印のある辺りが痛くなります。足の指の付け根の骨によって神経が圧迫されるために起こります。
一般的に足の中指と薬指の間で神経の圧迫を起こすことが多いですが、その他の指でも起こることがあります。地面を踏む際に毎回痛みが発生するため歩行をするのが辛くなってしまいます。
モートン病は筋肉や関節の組織を怪我して痛みを感じるものではなく、神経を直接障害するため、治療期間が長くかかったり痺れるような感覚があったりと症状が厄介であるケースが多くあります。
中年の女性に多い理由として考えられることは、パンプスやハイヒールによく見られるつま先が細くなっている靴を履く頻度が高いことが挙げられます。
さらに男性に比べて筋力が弱いことや、関節が緩いことが発症しやすい理由と考えられます。
付け加えて、足の指やつま先周辺の骨の骨折後に発症するケースも多くあります。(筆者がよく見たのはむしろこちらのケースです)
治療の初期はインソールを使います。筋力を強化して関節の結束力を高め、マッサージや鍼治療で鎮痛します。栄養療法として神経の損傷の治療にはビタミンB12の服用を勧めることもあります。
それで1ヶ月ほど様子を見るのですが、それでも症状が軽くならない場合は手術を行うケースもあります。
手術では神経を剥がす神経剥離や、局所にできてしまった腫瘍を除去する神経腫摘出を行います。
- 硬い関節は緩める
- 筋力をトレーニングする
- インソールでアーチを作る
硬いところはマッサージでしっかりと緩め、足の指で握る動作を毎日30回ほど繰り返してみましょう。
その上でインソールを使って内側のアーチと横のアーチをしっかりと形成できるように日頃から矯正することで改善に至るケースが多くあります。
このモートン病に関しては治療や予防の際にインソールは必須です。
- モートン病とは、足の指の間(特に中指と薬指)に、痺れや痛みが出てしまう病気である
- モートン病は、先が細くなっている靴やハイヒール、足に合っていない靴を履くことにより、発症のリスクが高まる
- モートン病は、足指の柔軟性を維持するストレッチや、筋力のトレーニング、さらに内側と横のアーチをサポートできるインソールで予防・改善が可能である
今回はモートン病についてでした。臨床での経験上、発症してからもしばらく治療せず、もう立つことも辛い状態で病院に来院してすぐに手術というケースも多くみてきました。
この記事によってそのようなケースが一件でも減ることを願っています。