【足の痛み】足のトラブルの原因を解説します。【扁平足】
足の構造や関節の動きはとても複雑で、206個あると言われる全身の骨のうち56個が足に集中しています。よって、足に発生する痛みや不具合には様々な要因が存在します。しかしながら、多くの症状に共通する要因があるのも事実です。この記事では、扁平足に注目して、その原因のひとつであるオーバープロネーション(過剰回内)について解説します。
扁平足とは、足の形状の一つであり、最も多くの人が発症している可能性が高いものです。扁平足は土踏まずがない(内側縦アーチと言われるアーチがなくなっている)状態であり、外観で確認できるものや足の裏全面が地面にベタッとついてしまうことを示しています。
扁平足の人全員に悪影響が出てしまうわけではなく、それによって生活に支障がない場合もあります。
足の裏には体重や衝撃を分散させる幾つかの機能が備わっています。扁平足の状態ではその機能の一部、あるいはほとんどが失われている状態になります。
また、偏平足の症状がひどくなると体重を分散させることができず、疲れやすくなったり、足元だけでなくふくらはぎや膝、股関節や腰などあらゆる部位にトラブルが起こりやすくなります。足をキッカケに全身の姿勢が変わってしまうため、扁平足をケアし予防することはとても重要です。
歩行している時に最初に地面に接触するのは踵であり、足のトラブルの原因を考える際にはまず踵がどのような状態にあるか確認する必要があります。
扁平足は外観上の異常を目で見て確認しやすいのですが踵の角度がどうなっているかは自分の目で確認することは困難です。しかしながら足のトラブルのほとんどは下記のような順番で起こります。
- 踵のオーバープロネーション(過剰回内)
- 扁平足(内側縦アーチの減少)
- 外反母趾
オーバープロネーションについては後ほど解説します。
扁平足は外反母趾につながる途中段階であり、その原因と捉えられます。最終的に発症する外反母趾は高齢になってくると場合によっては激痛を伴い手術が必要になる場合もあるため若いうちに予防してくことをお勧めします。特に女性に多い疾患です。
そして、扁平足の原因に踵のオーバープロネーションがあります。
足が痛くなってから病院に来られる方の中でこの状態が最も多いと言っても過言ではありません。
上の写真は右足の状態ですが、赤い縦線が本来はほぼ直線になっているのが正常なのに比べて内側方向へ折れてしまっていることが確認できます。この状態が過剰回内、いわゆるオーバープロネーションの状態になります。
足が内側に倒れてしまった結果、土踏まずが下がり扁平足となり、親指の付け根が内側に押し出されて外反母趾となります。オーバープロネーションの段階で気づくことができればその先の疾患を予防することが可能です。
筋力の低下や足の適切な使い方がわからないままでは、オーバープロネーションが発生する原因になります。
ただし医療現場において歩行の訓練や筋力のトレーニングでこれらを改善させることは困難でした。そして最終的にはインソールに行き着きました。
足の疾患の治療が発展しているドイツなど欧米で行われている、インソールを活用した日常生活中も行える無意識的なケアによる治療が現在のところ最も効果的であると考えています。
踵の角度を整え、それによって扁平足を防ぎ外反母趾やその他の足のトラブルを防ぐことができます。